某が通うきのこ山にはアンズタケがよく採れる。
日本で馴染みのあるアンズタケと呼ばれるものは黄金色のとても
綺麗なきのこです。
某の住む北米地域でも同じく黄金色の通称Golden Chanterelle
(ゴールデンシャンテレル)と呼ばれるものがやはり多数なのだが、
某が通うきのこ山にはシロアンズタケと
呼ばれるものが多い。
シロアンズタケはその名の通りアンズタケより白味を帯びてWhite Chanterelleと
英語では呼ばれている。
GoldenがCantharellus cibariusなのに対しWhiteはCantharellus subalbidusという
学名が付いているが北米で食用とされる際はどちらも同等(価値)として
扱われている。
写真で見るとほとんど白色であるが、ややクリーム色がかった個体が多い。
そして何よりも大きい。
アメリカマツタケと同じく大きいので採り甲斐があって、険しい山の中を
歩いているうちにきのこの重量が苦に感じてくるほどである。
アンズタケという名が付く通り杏のような香りがするきのこなのだが、
シロアンズタケはあまり香りがしない。
そういうと語弊があるが、採取直後はさほど香りがしないと言ったほうが
良いだろう。
しかし根元部分から切り取り、一日山の中を歩き回ってきのこの選別を
はじめる頃、真っ白あるいはクリーム色したアンズタケは徐々に色が
褪せていく。
傷がある部分や切り口付近は茶色や濃いオレンジ色に変色していく。
そしてこの頃から異常なくらいに杏の香りが立ち込めてくる。
本来なら採取直後にヒダの間に入り込んだゴミ等を取り除いたほうが、
後々の手間が省けるのだが、ついついその手間を怠ってしまう。
きのこ狩りの後はかなりヘトヘトになっていて、こんな泥だらけのまま
放ったらかしにしていつも後悔している。
なるべくゴミを取れるだけ取った後、半分以上は乾燥アンズタケにする。
あれほど大きく重量のあったアンズタケも乾燥させるととても小さくなる。
そして常温で長期保存できる。そして何よりも香りがさらに深くなる。
せっかく採ってきたアンズタケだからフレッシュなものも味わいたいので、
毎年必ず少しはアンズタケ料理を作る。
よくやるのが定番のシチューやオムレツ、パスタといったところだろう。
鶏肉や豚肉、子牛肉に相性が良いというがラム肉でも問題ない、
と?、某は思う?。
ラム肉が好きな某だからなんだが、ラム肉をライムジュース、ビネガー、
ニンニク、塩胡椒、オイルでマリネしたものをフライパンで炒めながら、
茹で上がったパスタとパプリカを入れただけのシンプルな
ラム肉アンズタケパスタはかなり旨い。
最近では食毒扱いされるきのこになってしまったアンズタケで、
これを堂々と食べているのはどうかと思うが、欧米ではアンズタケは
やはり人気のきのこで、度を超えて食しなければ問題ないのかもしれない。
放射性物質を取り込む性質があるとの報告があるが、これはこの種に
限ったことではないし、何よりも自分が採取しているエリアがどうかが
問題かとも思う。
ちなみに某の通うきのこ山は職業きのこピッカーが採取して小遣い稼ぎを
しているので、普通に流通しているものと思われる。
乾燥アンズタケはスーパーでも売っているが、1オンス(30gぐらい)で
5ドル以上するので、結構贅沢なきのこかもしれない。
自分で採ってきて当たり前のように調理しているが、もっと感謝して
食せねばと思う。
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