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2015/11/10

アンズタケのピクルス


今年はアンズタケが少なかった。
いつもなら大量に採ってその多くを乾燥アンズタケにして長期保存する。
天日乾燥させることによってアンズタケは素晴らしい香りと独特の歯ごたえを
楽しむことが出来る。
今回は乾燥させるほどまとまった量を確保できなかったので、フレッシュで
食した残りを欧米では乾燥保存の次に一般的に行なわれているピクルスを
作ることにした。

雨後に採取したアンズタケは水分を多く含んだ上に適当な掃除をしたために
ヒダの奥に松葉やゴミが付着したままなので、
水洗いしてゴミ取りを行なったのだが、さらに水っぽくなってしまった。
そして酢漬けした際に食べやすい大きさに切り分けていく。
本来アンズタケのピクルスは可能な限りきのこを乾煎りした後に
酢漬けにするわけなので、選別したアンズタケはもちろんのこと下処理にも
問題があるが、今回は我慢することにする。
フライパンで乾煎りするのだが、思ったとおりかなりの水分が出てきた。
煮込んでいるような感じになってきた。
通常なら数分でカラカラになるのだが、水分を大量に含んだ上に
大きくカットしたアンズタケを乾煎りするのには相当時間がかかった。
そしてまだまだ水分はきのこ内部に残っているような感じであったが、
面倒くさくなってきたのでここでアップルビネガーを投入した。
アンズタケのピクルスは
アンズタケ約1kgに対して、
アップルビネガーまたはワインビネガーを500cc〜750cc
(なければホワイトビネガーでも良いようだ)
水 100cc
砂糖 約100g
塩 少々
ローリエ 2枚
ブラックペッパー 適量
コリアンダーシード 適量
鷹の爪 2本

以上の全てをフライパンに入れてアンズタケと一緒に煮込む。
コリアンダーシードと鷹の爪は某が好みで入れているだけであるが、
それ以外のものは最低限揃えておきたい。
煮込み時間は10分くらいコトコトと煮込む。
煮込む際は本当に弱火にしないと煮込み上がる蒸気は強烈で、酢の香りで
部屋中酸っぱくなるので、換気とともに調理したほうが良い。
熱湯消毒したピクルスジャー(無かったのでパスタソースの瓶)に
冷ましたアンズタケをローリエ等の材料とともに詰め込み、
瓶の口の部分までフライパンに残ったアップルビネガーを入れて
フタをする。
こうしておけば冷蔵庫で半年くらいは持つ。
約一ヶ月ほど冷蔵庫で寝かしたアンズタケのピクルスである。
歯ごたえもよく酸っぱくて適度に辛味が効いていてご飯のお供というより
酒の肴に最高な逸品である。

アンズタケは欧米では超有名なきのこなので、やはり洋食に適したような
料理保存方法としてこのピクルスはとても有効である。
今晩は日本酒や焼酎はお休みで、ワインとともに味わいたいと思う。

2015/11/09

ムキタケの下処理と料理法

晩秋きのこを代表するムキタケである。
ムキタケは黄色い個体と上の画像のようなオリーブ色した個体と
二種類があるようで、近年はこの二つはそれぞれ別の種として区別されて
いるようだ。

現在ムキタケはSarcomyxa Serotinaという学名がついており、これは上の
画像のようなオリーブ色の種のほうであり、黄色いほうはS Edulisという
区別がされている。
和名ではムキタケの名は黄色いほうであって、オリーブ色のほうは
ムキタケよりも発生時期が少し遅いこともありオソムキタケと呼ばれている。
しかしながら両者は色こそ違うが味も何もほとんど同じなので、
人に説明する際も面倒なのでムキタケと呼んでいる。
そもそも某の住む地方では本来のムキタケを確認したことがなく、
オソムキタケしか見たことがない。
日本ではブナ等の広葉樹の立ち枯れや倒木に発生するようだが、
某が足を運ぶきのこ山ではもっぱらシラカバ等のBirchと呼ばれる広葉樹に
発生する。
ムキタケと聞くとついつい似た毒菌としてツキヨタケとの判別で
慎重になることがある。
一般的なのは柄の部分に黒いシミがあるかないかで判別したりするが、
オソムキタケの発生する晩秋以降にはツキヨタケは発生しない
(とは限らないが)ので、比較的安全に採取できるようである。
さらに朗報なのはツキヨタケは日本をはじめアジア圏で確認されるきのこで
某の住むカナダには存在しないので、誤食の可能性はほとんどないので
きのこ初心者にも安心して採取できるきのこである。
ムキタケは味もまろやかで食材としてとても使いやすい優秀な食菌である。
そして比較的簡単にそして一度に大量に採れるし、ついついたくさん
採ってしまう。

このきのこは粘性がないというが、雨後の湿った森を歩くと僅かながら
粘性を帯びた個体が多くなる。
そんな時期に無造作にポリ袋にどんどんきのこを詰め込んでいくと、
松葉やゴミがたくさん付着して持ち帰ることになる。
持ち帰ったムキタケはまずは水に浸けてゴミを取ったりヒダの中に
隠れている虫を出す。
柄の部分より上で切り取り、そのままジップロックで冷蔵庫で約一週間は
保存出来るが、それ以上となると冷凍や塩漬け保存が有効的である。
天ぷら等には向かないムキタケだがみそ汁や鍋物にはとても良く合う。
ある程度汁を吸わせて頂く料理には最適のきのこである。
先日はムキタケがメインの玉子とじムキタケ丼を作った。
普通に親子丼等を作るように丼つゆにタマネギとムキタケを入れて
溶き卵でとじて丼にするのだが、これが意外と旨く病み付きになる。

しかしムキタケ料理で某が一番おすすめなのは湯通ししたムキタケの
お刺身である。
ムキタケはその名の通り表皮が簡単に剝ける。
一皮剥くと綺麗な白色に近いクリーム色になって見た目も良い。
簡単に剝けると言ったが湯通ししたほうがもっと簡単に表皮が剥がれる。
湯通ししたムキタケを冷水で冷やし、適当な大きさに切り分けて
わさび醤油または生姜醤油で頂く。
これはかなりいける。ムキタケ特有のゼラチン質が絶妙な食感で
しかも何となく貝類の刺身を食べているような感覚になるのが不思議だ。

なので某の家では採れたてのムキタケはいつも刺身で頂き、残ったものは
保存用として塩漬けし、後日汁物用として使うようにしている。

 

2015/10/13

松茸入りローストターキー

北米ではサンクスギビングという祭日がある。
カナダでは10月、アメリカでは11月に祝う秋の収穫感謝祭のことである。
この週末には多くの家庭でローストターキーと呼ばれる
七面鳥のオーブン焼きを食べるのが慣例化している。
某の家でもサンクスギビングかクリスマスのどちらかで
ターキーを焼いたりするが、場合によるとローストビーフだったり、
ロブスター料理とか、とにかく豪華に食卓を飾るものがお出ましする。

しかしながら10月初旬にきのこ狩りに行って、たっぷりの松茸を採ってきて、
連日松茸を使った料理で10月中はずっと秋の収穫感謝祭をやっているような
ものだった。
今回は純粋にローストターキーを楽しみたいところだが、
冷蔵庫にはまだ松茸が残っている。
さすがにいろんな方法で松茸を食べてきたが、今回は試しにローストターキーの
中に松茸を入れてみようと思う。
通常ターキーはお腹に詰め物(スタッフィング)をして料理する。
それぞれの家庭で自慢のスタッフィングレシピがある。
某は面倒くさがり屋なので市販のスタッフィングミックスと
ターキーのモツとネックを混ぜ合わせてお腹に詰め込むのだが、
ついでに松茸を数本入れてみた。
お腹部分の他に首部分にもすこし空間があるのでそこにも松茸を仕込んでみた。
あとはオーブンで数時間ローストする。
最近は買ってきたターキーに重量別の調理時間の目安が付いてきて、
焼き過ぎとか生焼けとかといったトラブルは少なくなったと思う。
325°Fで4時間ちょっとでこんがりと色が付いてきた。
温度計で中心部の温度が70℃以上あればもう完成である。
ターキーを切り分けたり、スタッフィングを掘り起こしたりして、
どこかに埋もれていた松茸は調理前より幾分か小さくなっていたが、
ターキーの内部でじっくり煮汁を吸いながらローストされて、
松茸の旨味を残しながらターキーの旨味を融合させて
何とも味わい深いものに仕上がった。

4時間以上もローストするのできのこ類でも肉質の硬い松茸やエリンギ等が
この料理には向いていると思う。
食べ終わって思ったのは、失敗を恐れてあまり松茸を入れなかったのだが、
もっと入れておけば良かったと思ったくらいだ。

2014/11/03

アンズタケとラム肉パスタ

某が通うきのこ山にはアンズタケがよく採れる。
日本で馴染みのあるアンズタケと呼ばれるものは黄金色のとても
綺麗なきのこです。
某の住む北米地域でも同じく黄金色の通称Golden Chanterelle
(ゴールデンシャンテレル)と呼ばれるものがやはり多数なのだが、
某が通うきのこ山にはシロアンズタケと
呼ばれるものが多い。
シロアンズタケはその名の通りアンズタケより白味を帯びてWhite Chanterelleと
英語では呼ばれている。
GoldenがCantharellus cibariusなのに対しWhiteはCantharellus subalbidusという
学名が付いているが北米で食用とされる際はどちらも同等(価値)として
扱われている。
写真で見るとほとんど白色であるが、ややクリーム色がかった個体が多い。
そして何よりも大きい。
アメリカマツタケと同じく大きいので採り甲斐があって、険しい山の中を
歩いているうちにきのこの重量が苦に感じてくるほどである。
アンズタケという名が付く通り杏のような香りがするきのこなのだが、
シロアンズタケはあまり香りがしない。
そういうと語弊があるが、採取直後はさほど香りがしないと言ったほうが
良いだろう。
しかし根元部分から切り取り、一日山の中を歩き回ってきのこの選別を
はじめる頃、真っ白あるいはクリーム色したアンズタケは徐々に色が
褪せていく。
傷がある部分や切り口付近は茶色や濃いオレンジ色に変色していく。
そしてこの頃から異常なくらいに杏の香りが立ち込めてくる。
本来なら採取直後にヒダの間に入り込んだゴミ等を取り除いたほうが、
後々の手間が省けるのだが、ついついその手間を怠ってしまう。
きのこ狩りの後はかなりヘトヘトになっていて、こんな泥だらけのまま
放ったらかしにしていつも後悔している。
なるべくゴミを取れるだけ取った後、半分以上は乾燥アンズタケにする。
あれほど大きく重量のあったアンズタケも乾燥させるととても小さくなる。
そして常温で長期保存できる。そして何よりも香りがさらに深くなる。

せっかく採ってきたアンズタケだからフレッシュなものも味わいたいので、
毎年必ず少しはアンズタケ料理を作る。
よくやるのが定番のシチューやオムレツ、パスタといったところだろう。
鶏肉や豚肉、子牛肉に相性が良いというがラム肉でも問題ない、
と?、某は思う?。
ラム肉が好きな某だからなんだが、ラム肉をライムジュース、ビネガー、
ニンニク、塩胡椒、オイルでマリネしたものをフライパンで炒めながら、
茹で上がったパスタとパプリカを入れただけのシンプルな
ラム肉アンズタケパスタはかなり旨い。

最近では食毒扱いされるきのこになってしまったアンズタケで、
これを堂々と食べているのはどうかと思うが、欧米ではアンズタケは
やはり人気のきのこで、度を超えて食しなければ問題ないのかもしれない。
放射性物質を取り込む性質があるとの報告があるが、これはこの種に
限ったことではないし、何よりも自分が採取しているエリアがどうかが
問題かとも思う。
ちなみに某の通うきのこ山は職業きのこピッカーが採取して小遣い稼ぎを
しているので、普通に流通しているものと思われる。

乾燥アンズタケはスーパーでも売っているが、1オンス(30gぐらい)で
5ドル以上するので、結構贅沢なきのこかもしれない。
自分で採ってきて当たり前のように調理しているが、もっと感謝して
食せねばと思う。

2014/10/24

ナラタケの煮浸し

今年はナラタケが大量に採れた。
朽ちた倒木から大量に発生したり、見上げた木の上のほうまでも
あちこちで出ていた。
しかし至る所にありとあらゆるきのこが出ており、ナラタケを採るすぐ側に
マツタケまでが顔を覗かせているので、両手に持てる量も限られているので
ナラタケは本当に良さそうなものだけを採取したのだが、
それでもかなりの量のナラタケを採取した。
株になっているのでとにかく一度に採れる量が半端ない。
そして、時間とともに特に柄の部分が黒く変色していくので
帰宅後はなるべく早めに下処理をして、冷凍するなり塩漬けするなりして
保存するように心がけている。
フレッシュなものをフレッシュなまま頂きたいので、綺麗に掃除した
ナラタケを10本程度昆布と一緒に出汁を取った。
ナラタケが人気の理由である一つに旨い出汁が取れることだと思う。
ほのかに甘く濃厚な出汁は沸騰しない程度でぐつぐつやると、
うどんや鍋に最高に合う出汁となる。
今回はこの出汁とナラタケ、そして冷蔵庫で眠っていた中国野菜の
ガイランを使い、さらに煮立ててみりん、砂糖、醤油で味付けて、
煮浸しを作ってみた。
甘い出汁を吸ったガイランはさらに旨くなり、ナラタケも傘の部分は
少しぬめりが口当たりを良くして、柄の部分の歯切れも良い。
柄の部分のシャキシャキ感が嫌な人も煮浸しにして頂くと
少しまろやかになって食べやすいと感じるだろう。

しかしながらナラタケは最近では食毒扱いもされているようだ。
たしかに少し消化が悪いので食べ過ぎるとお腹を壊すこともあるようだが、
某は今まで一度もお腹を壊したことはない。
要は食べ過ぎればなんでも毒になりうるからかもしれない。
イグチだった食べ過ぎるとやはりお腹を壊すので(下痢したことがある)
何事も程々に。

2014/10/16

ハナイグチの醤油漬け

きのこ狩りに行って 少量であってもいつも必ず持ち帰るのが
このハナイグチである。
理由はただ一つ、旨いからである。
毎年必ずと言っていいほどハナイグチのみそ汁を頂く。
傘の部分のヌメリと柄の部分の歯ごたえが絶妙だ。

ハナイグチに限らずイグチの類いは採取後すぐに変色しだし、
痛みやすいのが特徴だ。
なので朝早くきのこ狩りに出かけて夜遅く帰宅しても、下処理等で
やるべきことはたくさんある。
そういう理由でハナイグチは最近は一食か二食分しか採らないようにして
その分他のきのこの処理に追われたりしている。

塩漬けや冷凍保存もあるが、やはり旬のものを頂くのが最良なので、
今回もみそ汁に使ったほかはおろし和えと醤油漬けにしただけである。
まずはきれいにゴミ等を取り除いたハナイグチを湯がく。
冷ましてこのまま冷蔵庫に保管しても数日は大丈夫だし、
このまま冷凍することも出来る。
今回は数が少ないので醤油漬けにした。
酒、醤油を1:1の割合で沸騰させた中に先ほどのハナイグチを入れる。
某はいつも酒、醤油の他に市販の液体濃縮の麺つゆを少量入れる。
そして瓶詰めにする。
こうしておけば数週間は冷蔵庫で保管できる。
しかし数週間も冷蔵庫で保管したことは一度もない。
なぜなら
あまりにも旨いからである。
傘部分のヌメリは僅かに残り、そして独特の歯ごたえは健在で、
某が酒の肴用に取っておいたものは夕食の食卓の引き出されて
すぐに無くなる。

いつも思うのだが、最後のきのこを食べ尽くした時に
「もっと採ってれば良かった」
「もう一度きのこ狩りに行こうか」
「冷凍してストックしておけば良かった」
などといろいろ後悔して来年のきのこシーズンまで待つことになる。