2014/09/02

アカハツのすき焼き

先週行った里山に再び足を運んだ。
家を出る際 家人に、
「今日はすき焼きをするからスライス肉と
白菜と玉子と買っておいてくれ」
と頼んだ。
タマネギやほうれん草などは確か冷蔵庫にあったのを
確認済みだったが、それ以外は買いそろえなければ
ならなかった。
この時期にすき焼きをやる理由はただ一つ。
先週見つけたサンゴハリタケを採取することである。
先週はとても小さな幼菌だったため、
この日まで温存しておいた。

山道を歩いて数十分、そろそろサンゴハリタケの幼菌があったところに
出くわすはずがなかなか見つからない。
念のために記録したGPSで当該地点にたどり着いていても、
それらしきものが見つからない。
さては誰かに先を越されたのか?

どれだけ探しても見つからず、いたずらに時間が過ぎていく。
今日はそれだけが目当てなので採取したらすぐに帰宅して
鍋の用意をしなければならない。

しまった!
主役のないすき焼きになってしまう
(某以外にとっての主役は肉なんだが・・・)
偶然見つけたキンチャヤマイグチである。
大きな個体ですぐ横にも同じくらいの食べ頃サイズが出ていた。
サンゴハリタケに未練があるのでキンチャヤマイグチの場所だけ
確認して後で採取することにした。
キンチャヤマイグチは大きいし、採取した後色変わりが早いので
山を後にする時に戻ることにする。

しかし後で戻った時に出ていた場所がなかなか見つからず、
少し困ってしまった。
やはりきのこ狩りは見つけたら即採取のほうが良いかもしれない。

その後もあちこち探索したのだが、一向にサンゴハリタケには
出会うことはなかった。

その代わりに先週はまだぽつぽつと出始めていたアカハツが
少し数がまとまってきたようだ。
というか採らなかったものが大きくなってたりした個体も
あるし、徐々にきのこの標的をアカハツにシフトし始めたから
目が慣れて見つけやすくなった。
先週のものより傘が白っぽくてアカハツっぽくないが、
柄の部分はやはり綺麗なオレンジ色をしていた。
その後もアカハツはある程度採取することができたが、
アカハツをすき焼きに入れたことは過去には一度もない。
なんとなく合いそうもないし、かといってサンゴハリタケが
採れることもなさそうだし、今回は実験を兼ねてアカハツで
すき焼きを行いたいと思う。

サンゴハリタケは倒木に発生するので ついでにヒラタケを
探していた。
ヒラタケならすき焼きにも合うし、良いものが見つかれば
採取しようと考えていた。
しかし帰る時間が迫ってきて、何もないよりも何か持ち帰るものが
あれば良いと思いアカハツとキンチャヤマイグチを今日の食卓を
飾るに足る量を確保したとたんに、
倒木の脇から巨大なきのこが発生しているのを見つけた。
オオイチョウタケである。
オオイチョウタケはとにかく巨大で持ち帰るのも大変で、
しかも今日の食料分は確保したので、無駄に持ち帰ることになってしまう。
周辺を探せばまだまだ幼菌もあったので、また次回にすることにした。
とはいえ 後で考えればこのオオイチョウタケが一番すき焼きに
合っていたのではと少し後悔している。
今日の成果はキンチャヤマイグチが二本、アカハツが十本である。
家族で食すならこの量で十分である。
キンチャヤマイグチはソテーにして食べるとかなり美味で、
それをわざわざすき焼きに入れるのもどうかと思うが、
柄の部分のコリコリした食感はエリンギを入れたすき焼きを
感じさせるものとして期待が持てる。

一方アカハツもオリーブオイルで炒めるのが一番美味しいとは
思うのだが、傘の部分の旨さが上手くすき焼きと融合するのを
願いたい。
我が家のすき焼きである。
手前にキンチャヤマイグチの柄の部分が見える。
そしてなぜか?えのきが中央付近に堂々と鎮座している。
そしてすぐ横にアカハツの傘の部分が見える。
そして約一年間冷凍庫で眠っていた昨年の松茸も画像一番左に見える。

やはりキンチャヤマイグチとアカハツではすき焼きのきのこの
パートを任せる訳にはいかなかった。
しかしながらすき焼きでもキンチャヤマイグチの柄の部分は
コリコリした食感がとても良い具合で傘の部分もすき焼きとは
合うようだ。
アカハツは柄の部分こそ例のベニタケ類特有のパサパサ感があるものの
傘の部分はしっかりしており、すき焼きにしても悪くはないようだ。

でもやはり松茸が入ると雰囲気はガラリと変わるものだ。
割り下にも松茸の香りが溶け出し、コリコリしているものの
味自体は?なキンチャヤマイグチの柄の部分も松茸の香りのおかげで
さらに美味しく感じて頂けた。

結局晩夏から初秋のきのこを採りに行っても、
松茸に一掃されてしまう訳で、今年も松茸を採りに行こうと
固く決心しただけの本日のきのこ狩りときのこすき焼きであった。