2015/10/30

干し松茸の作り方と戻し方

このところ毎年採りすぎるくらい松茸を採っている。
フレッシュなものを焼いたり蒸したりして頂くのが一番なのだが、
食べきれない分は冷凍して来年の松茸シーズンまで保存することもある。
虫食いのないなるべく良い形のものを選び、一つずつラップで包んで
ジップロックで保存しているが、解凍して使う際も松茸ご飯はもちろんのこと、
すき焼き、茶碗蒸し、吸い物、ホイル蒸し、そして天ぷらにも使えるので
冷凍保存が一番良いように思える。
しかしながら採れた松茸の大半は少し老菌になったものや虫食いの
進んだものが多いので、こういった松茸は(今食べないのなら)
天日で干して半永久的に保存が出来るようにするのも良いと思う。
まずは綺麗に汚れを取り除き好きな大きさに切って水に浸けて虫出しを行う。
小さく刻めば乾燥させるのにも時間はかからないし戻すときもすぐに戻るが、
歯ごたえのある食感は失うことが多い。
なので某は少し大きいかな?と思えるくらいに切って水に浸けている。
虫出しの後はふきん等で松茸を入れて渾身の力で余計な水分を絞り出す。
あとは重ならないように(かなり重なっているが)して、天日で乾燥させる。
乾燥が進むにつれてその体積が小さくなっていき、幾分か茶色くなっていく。
ちなみに左の少し濃い色のきのこは松茸ではなく、アンズタケである。
完全に乾燥した松茸は随分とコンパクトになりそして常温保存できるので、
使い方によっては便利な食材となる。
某の干した松茸は歯ごたえを味わうために若干大きく切り分けたものなので、
戻すときも一晩冷蔵庫でゆっくりと戻したほうが良い。
戻した松茸は適度な硬さを保ちつつ戻し汁は色付いており、
汁物や松茸ご飯、茶碗蒸しの出汁として使える。
しかしながら松茸の香りは?というとこれはもうあまり期待できない。
それでも僅かに松茸の香りがする。
今晩は食感だけを味わうような中華スープに仕立てたので、
家族の者は某が言うまではこのきのこはエリンギだと思っていたようだ。

2015/10/20

晩秋のきのこ狩り ムキタケ

今年はたくさんのきのこと出会えた。
正月用の松茸もたくさん採れて冷凍して備蓄も万全なのだが、
最後にもう一度松茸採りに出かけてみた。

某が入るきのこ山も10月半ばを超えると晩秋の気配を
十分過ぎるくらい感じる。
少し歩けばすぐに見つかる松茸もさすがになかなか見つからない。
キシメジならたくさん見つかる。
大振りでなかなか食べ甲斐のありそうなヒョウモンクロシメジも
たくさん出ていた。
しかしながらこのきのこは少量でも嘔吐や下痢を引き起こす毒菌である。

食菌を探しまわったがさすがに晩秋ともなると、朽ちたイグチ類や
傘の反り返ったショウゲンジ等しかなく、お目当ての松茸も虫が大量に
入って柄の部分が中空状になったものや腐敗したものばかりである。
探しまわってようやく何個か状態のいい松茸を見つけた。
傘が被ったような幼菌はもうないが、食べるには十分なものを何個か
採ることができた。

今回は持ち帰るきのこが随分と少ないが、
最後に晩秋きのこの代表格であるムキタケを見つけた。
シラカバの倒木に密集していた。
某が言うムキタケとは一般的なムキタケとは少し違う緑色っぽい個体の
もので、所謂オソムキタケのことである。
実は前回のきのこ狩りの際にも小さな幼菌を見つけていた。
その時はあまりにも小さい上に他にたくさんのきのこを採取していたので
見送っていたが、
今回は立派になって食べごろになったムキタケがたくさん出ていたので、
状態のいいものを採取した。
今回は時期が過ぎた松茸が10本くらいとあとはムキタケが大量に採れた。
今年は十分過ぎるくらいきのこが採れたと思う。

2015/10/13

松茸入りローストターキー

北米ではサンクスギビングという祭日がある。
カナダでは10月、アメリカでは11月に祝う秋の収穫感謝祭のことである。
この週末には多くの家庭でローストターキーと呼ばれる
七面鳥のオーブン焼きを食べるのが慣例化している。
某の家でもサンクスギビングかクリスマスのどちらかで
ターキーを焼いたりするが、場合によるとローストビーフだったり、
ロブスター料理とか、とにかく豪華に食卓を飾るものがお出ましする。

しかしながら10月初旬にきのこ狩りに行って、たっぷりの松茸を採ってきて、
連日松茸を使った料理で10月中はずっと秋の収穫感謝祭をやっているような
ものだった。
今回は純粋にローストターキーを楽しみたいところだが、
冷蔵庫にはまだ松茸が残っている。
さすがにいろんな方法で松茸を食べてきたが、今回は試しにローストターキーの
中に松茸を入れてみようと思う。
通常ターキーはお腹に詰め物(スタッフィング)をして料理する。
それぞれの家庭で自慢のスタッフィングレシピがある。
某は面倒くさがり屋なので市販のスタッフィングミックスと
ターキーのモツとネックを混ぜ合わせてお腹に詰め込むのだが、
ついでに松茸を数本入れてみた。
お腹部分の他に首部分にもすこし空間があるのでそこにも松茸を仕込んでみた。
あとはオーブンで数時間ローストする。
最近は買ってきたターキーに重量別の調理時間の目安が付いてきて、
焼き過ぎとか生焼けとかといったトラブルは少なくなったと思う。
325°Fで4時間ちょっとでこんがりと色が付いてきた。
温度計で中心部の温度が70℃以上あればもう完成である。
ターキーを切り分けたり、スタッフィングを掘り起こしたりして、
どこかに埋もれていた松茸は調理前より幾分か小さくなっていたが、
ターキーの内部でじっくり煮汁を吸いながらローストされて、
松茸の旨味を残しながらターキーの旨味を融合させて
何とも味わい深いものに仕上がった。

4時間以上もローストするのできのこ類でも肉質の硬い松茸やエリンギ等が
この料理には向いていると思う。
食べ終わって思ったのは、失敗を恐れてあまり松茸を入れなかったのだが、
もっと入れておけば良かったと思ったくらいだ。

2015/10/05

マツタケ狩り 2015年10月

今年もきのこ狩りに行ってきた。
きのこ仲間が言うには今年は余りよくないとのこと。
しかしながら例年よりも夏場の降水量が多かった今年は
地温や気温の条件が整えば晩秋になって大発生する可能性も
あると読んで出かけてみた。

毎年足を運ぶきのこ山も最初の数十分の森の散策でその年の
状況が把握できるようになってきた。
森に入って30分以内に松茸を見つければ、例年並みと言える。
それ以上かかる時は松茸どころかごく普通に見られるベニタケ等も
姿を消しているケースが多い。
結果から言うと今年は当たり年だったと思う。
昨年ほどの一カ所での菌円は見られなかったが、それでも一度に数本
見つかる場所が多く重量級の松茸が多かった。
おそらく10kgくらいは採れたのではないかと思う。
もっとも傘の被った上質なものは僅かであったが、家族が嫌になるほど
食べることは出来そうだし、ご近所に振る舞える量は確保できた。
というか採りすぎたような気がする。
ショウゲンジもたくさん見つけることが出来たのだが、
傘の開ききった個体が多く、無理して採取することも無かったので
なるべく状態のいいものだけを採ってきた。
今年はシメジ類が豊富だった。
埃っぽいが歯切れの良いきのこで鮮やかな色合いのムラサキシメジも
今年は多かった。
採れる場所で若干の味の違いがあるのだろうか?某が通うきのこ山では
このムラサキシメジは埃っぽさは一切しなく汁物には最高のきのこで
あるのだが、松茸を最優先したために今回も(毎年)写真に収めるだけに
した。
キシメジも多かった。
しかしながらキシメジは今では毒扱いになってしまっている。
キシメジについては独自の見解があるのだが、それについてはまたの機会に
述べるとして、キシメジも写真に収めるだけであった。

他には食菌のアブラシメジ、そして毒扱いのネズミシメジや
ヒョウモンクロシメジ等が大量に出ていたが、やはり松茸と比べると
割愛の対象となってしまう。
例外はやはりこのハナイグチである。
これだけは毎年欠かさず採取する。しかし今年は数が少なく、
みそ汁、醤油漬け、うどんの具材として活用するには少し少なく
ドラヤキタケをついでに採取した。
どら焼きにしか見えないが、これはアミハナイグチである。
ハナイグチ同じくぬるぬるツルツルした食感は良いのだが、ハナイグチの
シャキッとした肉質ではないのが少し残念なところである。
某が入るきのこ山ではヒラタケよりスギヒラタケが圧倒的に多い。
とても美味しそうなのだが、スギヒラタケも今では立派な毒菌である。
二年か三年に一度大発生するナラタケの今年は小規模なもので、
しかも傘の開ききった老菌が多かった。
しかし探してみると
饅頭型の可愛い幼菌が折り重なるように発生しているのを発見した。
とりあえず良いものだけを採取した。
今年のシロアンズタケは数は例年並みだったのだが、雨に打たれて
すこしズブズブしたものが多かった。
それでも毎年味わいたいきのこなので状態の良いものだけを
頂いてきた。
久しぶりにクロカワに出会えた。
某の好きなきのこで、通常なら一カ所にに数本生えているはずなのだが、
単発だった。
大量だったきのこ狩りで、松茸がメインで他にハナイグチ、アミハナイグチ、
ナラタケ、ショウゲンジ、アンズタケ等を手に入れた。
帰宅してからはきのこの選別や掃除で大忙しとなる。
随時それらの料理を紹介していこうと思う。