2011/10/26

クロカワの佃煮

先日採ってきたクロカワである。
某の大好物のクロカワはいつも炭火で焼くのが定番である。
しかし今回は保存できるように佃煮にしようと思う。
まずはゴミを落とすために水洗いをした。
そして一口大にスライスして水に漬けている。
幼菌は全く虫に食われてなかったが、大きな個体はかなり虫に
やられていて、虫だしとして水に漬けている。
薄い塩水がいいとかいろいろときのこの虫出しには方法があるようだが
某はただの水に漬けっぱなしにしている。

きのこは水に浮くのでボウルの下に溜まったゴミや虫を確認して
水でも虫出しが出来るのだと確信している。

ある程度虫出しをしたら、水から煮はじめる。
まずはみりんと砂糖で甘味だけで煮て、その後しょう油と
おろし生姜を入れて煮詰める。
ただこれだけである。
出来上がったクロカワの佃煮である。
横には某の好きな芋焼酎のお湯割りである。
クロカワは焼いても煮てもやはり苦い。
しかしこの苦さが、だんだんと旨さに変わっていく。
なぜだか分からないが、酒を飲んでいると自然とこのクロカワの
苦さが旨さに変わっていく。

保存が出来るようにと全てのクロカワを佃煮にした訳だが
酒との相性が抜群に良いために、クロカワが無くなるのも
どうやら時間の問題のようである。



2011/10/24

クロカワのシロ

またきのこ狩りに行ってきた。
前回のきのこ狩りが芳しくない成果だったのだが、その後雨の日が
続き、もしや状態が良くなっているのでは?という甘い期待を
妄想して出かけたのだが・・・、

予想を遥かに下回るひどい有様でした。
松茸のシロには全くの痕跡は無く、ハナイグチも少なかった。
同じ時期に大量に収穫出来るショウゲンジもたったの一本しか
見つからなかった。
いくらその後に雨の日が多かったとしても菌根が生育する8月と
9月にまとまった雨が無かったのが問題だと思う事にしている。

写真には収めてないが、ハナイグチが減りアミハナイグチが少し
出ていた。
今年が当たり年だったアンズタケも時期が過ぎたようだった。
唯一収穫だったのが新たにクロカワのシロを2カ所見つけた事だった。
雨と成長し過ぎで虫食いのひどいクロカワ(上の写真)が多かったが
1カ所は辺り一面にクロカワが発生していた。
この場所では良いものを5枚採ることができた。
クロカワは雨の少ない今シーズンでも相変わらず同じ場所で
発生してくれる。


今年のきのこ狩りは今回を最後にしようと思っているが、
クロカワとアンズタケが一番良かったような気がする。
松茸を腹一杯食べる事が出来なかったが、新しいクロカワのシロの
発見も伴い、ようやく網焼き以外に佃煮も作れるほどに収穫出来た。
上手く出来たらまた紹介する事にしよう。


2011/10/11

クロカワの炭火焼

先日のきのこ狩りの際に採取したクロカワです。
クロカワは名前のとおり黒くて目立たないです。
学名がBoletopsis leucomelasとなっているが、北米でも特にカナダの
菌類の図鑑には載っていないものもある。よって英語による俗名が
存在しない。
ヨーロッパや日本のきのこに詳しい図鑑にはBoletopsis leucomelas
学名でKurotakeという表記で紹介されていた。
専門書にもクロカワとかロージと日本では呼んでいると
人ごとのように記述されているし、味もおいしいが苦いと説明
されている。
手のひらサイズのちいさなクロカワだったので虫食いも無く
管孔や柄も真っ白であったが、採取して家に持ち帰ったら色が
黒くあせてきた。
やはり痛みやすいきのこなので採れたらすぐに料理したほうが良い。
クロカワといえばやはり炭火で焼くのが一番だ。
とてもしっかりした実で歯ごたえも良いし、ほろ苦さが最高だ。
残念ながらというか嬉しいというか家族の者はみなこのクロカワが
苦手だ。
なのでひとりでこのクロカワを平らげる。
素焼きでレモンやスダチをかけて食べるも良いし、
しょう油やショウガしょう油を付けて食べても良い。
たくさん採れた事が一度も無いので保存の効く佃煮にもしてみたいのだが
まだ試した事はない。
やはり旬のものは素材の良さを生かす食べ方が一番だ。
クロカワのためだけに炭火をおこしてみたが、まだまだ火があるので
ついでにするめも焼いた。
先ほどからのクロカワは日本酒にとても合う。
日本酒はなかったので代わりに焼酎のお湯割りの肴にしていたが
とにかくクロカワは酒飲みには最高の食材だ。

きのこ狩り 10月

久しぶりにきのこ狩りに行ってきた。
そろそろ松茸のシーズンなのだが、今年は雨が少ないようで
あまり数が期待できないようである。

思ったとおり某がよく行くきのこ山は少し乾燥気味で、
きのこの発生自体が少なかった。
食菌に限らずありとあらゆるきのこを発見できるのがきのこ山の
楽しみだったのに、ぜんぜんきのこが見つからない。
松茸のシロも数カ所回ったがどこにも見当たらない。
なんとかハナイグチを見つける事ができた。
ハナイグチは一カ所大量に出るシロがあったのだが、そこでは全く
見つからず、他の場所で20本程度見つけただけである。
通常はハナイグチは松茸よりも少し前から発生しだして、
形の良い幼菌をたくさん採る事ができるのだが、10月初旬で
この型と量だと少し時期が早かったように感じる。

しかしこの時期にはすでにショウゲンジ等も数多く採れる所だが
今回は全く見つける事ができなかった。
昨年初めて見つけたクロカワのシロに行ってみたら、まだ小さいが
上質のクロカワが二枚採れた。
某はこのクロカワが大好物だ。
クロカワが採れると松茸よりかなりテンションが上がる。
周辺をくまなく探したが、この二枚しか見つからなかった。
松茸が不調な時にクロカワが採れただけでも大きな収穫である。
それなりに多く発生が確認できたのがアンズタケである。
北米のアンズタケは少し白くてシロアンズタケと呼ばれている。
しかし香りも立派に杏の香りがしてフランスではジロールと呼ばれ
とても有名だしとにかく欧米人には人気のきのこである。

アンズタケは某がよく行くアンズタケ山があり、巨大なシロを
形成しているので、そちらに向かいアンズタケを集中して採取した。
今回は本命の松茸がかなり少なく、クロカワは採れたものの、
全体的に少ない収穫だった。
しかしアンズタケだけはたくさん採れたので、これから数日間は
アンズタケ料理で楽しめそうだ。

本当はもっと採れたのだが、老菌や幼菌はそのままにして型のよい
食べごろサイズだけを採取してきた。
まだまだあったがいつもごとく自然の恵みに感謝なので
袋にいっぱいになった所で帰途についた。

とにかく雨が少なく、このままいくと全くきのこが出ない年に
なりそうだったが、シーズンに入ってから降雨が徐々に増え
何とかきのこが発生したような感じである。

今年は春にたくさんの春きのこを採取して上機嫌だったが
秋のシーズンではもう一歩という結果になってしまった。
通いつめればもっと出てくると思うが、仮に採れたとしても
食べ残してしまうかもしれないので、もしきのこを食べ尽くしたら
また出かけようと思う。



2011/10/04

カナダの松茸

松茸です。カナダの松茸は少し種類が違っているようですが、
松茸は松茸です。
かなり大柄な個体が多く、一本採れれば家族で楽しめるくらいの
大きさのものもある。

販売ルートで出回る松茸は傘の被った上質なものばかりだが、
趣味の山歩きの過程で見つける松茸はおおむね傘が開いた巨大な
松茸ばかりを見つけてしまう。
雨がたくさん降ったシーズンは至る所に菌円を描いて発生する時が
あり、かなりの収穫となる。
今年は雨が少なく、発生が少ないようだ。
薄暗い森のなかで遠目でもはっきりときのこの場所が分かるくらい
カナダの白色の松茸だが、よく見るとシロハツやツチカブリのような
きのこと間違える事が多い。
しかし手に取って匂いを嗅げば素人でもその違いはすぐに分かる。

降雨量が少ないだけあって今年は松茸山に出かけてない。
松茸が不作の年でもショウゲンジやイグチの仲間がたくさん撮れるので
それを目当てに出かけてみようかとも思っている。



2011/09/18

アンズタケとアミガサタケを使ったリゾット

某の家には未だに昨年採ったアンズタケがある。
アンズタケはカナダでは人気のきのこで、専門にきのこ狩りをする人も
多い。そして同じくアミガサタケもそうだ。
どちらも乾燥保存が利くし、乾燥させる事により風味が増す。
今日はこの二つのきのこを使った贅沢なリゾットを作る事にする。
オリーブオイルとすりおろしたニンニクを軽く炒めた後、
みじん切りにしたタマネギを入れてさらに炒める。
そのとき冷蔵庫に余っていた野菜なんかも刻んで入れてみた。
ある程度しんなりして来たら、米を入れる。
米にオリーブオイルがまわって軽く炒めたあと 適量のワインそして
ビーフスープストックを溶いただし汁を入れる。
分量はいつも適当だ。
どうせ分量通り入れても水が足りなくなってすぐに追い水をいれる。
足す水はいつもきのこを戻した戻し汁を入れる。
特にアンズタケやアミガサタケを戻した汁は濃厚でとても美味しい。
乾燥のアミガサタケは水で戻すとすぐに使えるが、アンズタケは
少し時間がかかる。
なので早めに米の中に投入して一緒に煮込む。
そのうち米が柔らかくなるのと同時にアンズタケも柔らかくなるだろう。
出来上がる直前に塩こしょう、各種ハーブ、そしてパルメザンチーズで
味を整える。
調理している時からきのこの香りがとても漂い最高のリゾットとなった。
アミガサタケも良いがアンズタケの少しコリコリした食感がたまらなく
リゾットにはとても相性がいいきのこだと思う。


2011/09/17

ショウゲンジ

某が好きなきのこのひとつにショウゲンジがある。
ショウゲンジは虚無僧とも呼ばれる。
幼菌(写真の群生してる手前のほうのもの)は深い編み笠を被った
ような格好でそう呼ばれるそうである。

某のよく行く里山では松茸が出る山でよく見かける。
松茸が採れようが採れまいがショウゲンジはいつも籠に入れる。
傘は黄土色から黄土褐色で少し脆いが幼菌は饅頭型でしっかりしている。
幼菌のほうが可愛らしいので幼菌を専門で採取するが、
傘の開いた大きなものも結局採取してしまい、いつも採りすぎる。

特に目立った癖のある味ではなく、何の料理にでもあう。
中実の柄の部分のこりこりした食感がとても美味しく感じる。

たくさん採りすぎても塩漬け保存する事が出来るので、
使いたい時だけ塩抜きして料理に使う。
しかし何と言っても採れたての生を調理に使うのが一番だ。



2011/09/16

ナラタケ

ナラタケである。ナラタケはとてもたくさん種類があるようだが
どれもひっくるめてナラタケと某は呼んでいる。
おそらく某がよく採りにいく里山ではこのナラタケはオニナラタケの
ようにも見えるが、ナラタケと呼んでいる。

ナラタケはナラタケ病という病原菌を持っているようで、寄生された
樹木はその病原菌によって枯死するそうだ。
人間が食べても死なない。
何事でもそうだが食べ過ぎると消化に悪いきのこ類はナラタケも
同じで腹をこわすという。
見上げるような高いところにも発生している事がある。
そんなやつに限ってやけに美味しそうに見えるが、なかなか
採れないくらい高いところにある。

こちらではHoney Mushroomという名で通っているナラタケだが
一部のきのこマニアにはやはりこれを目当てに採取する人も
多いそうだ。

当然ながら某も好きなきのこのひとつである。
食材としてはとても万能で汁物から炒め物までなんでも使える。

地方ごとにいろんな名前がついている。
ボリボリとは北海道で通っている名前だ。
その名の通り柄の部分は特にボリボリしたシャキシャキ感が
たまらない。

たくさん採れた時は、軽く湯通しした後塩漬けにして瓶詰め保存する。
もっとも一番良いのはフレッシュな状態で北海道出身の友人宅に
お裾分けすると、お返しにいろんなものが貰える。
北海道出身の友人にとってなのか、とにかく評判が良い。


2011/09/01

ハナイグチと塩漬け保存

ハナイグチはおそらくきのこ狩りをする人なら誰でも知っていて
そして誰もが好んで採取するきのこの一つだと思う。
長野県ではジゴボウと呼ばれたり北海道ではラクヨウと呼ばれたり
とにかく人気のきのこである。

某の住む地方の里山でも針葉樹の森の下の苔絨毯の間から発生する。
通常はハナイグチよりアミハナイグチのほうが発生量が多い。
同じような名前だが、ハナイグチのほうが断然旨い。

傘の部分のヌメヌメの食感はナメコにも勝ると思う。
そして柄の部分も程よい歯切れのある食感で好感が持てる。

傘が開ききってない幼菌は抜群の味わいだ。
傘が開いてきて大きくなってくると、綺麗な黄色のスポンジ状の
傘裏の中にナメクジがいたりして虫食いがひどくなる。

ハナイグチはとても痛みやすいきのこで、時間がたつと次第に
黒く変色してきて、見栄えも悪くなってくる。
たくさん採れた時は塩漬けにして保存する。
まずは採れたてのハナイグチを水洗いする。
発生する場所柄、松葉が突き刺さっていたり、そのぬめりのせいで
泥などを付着させていたりする。
この状態で冷蔵庫に保存しても数日間は綺麗な色のまま保存できる。
しかし塩漬け保存すると数ヶ月以上も保存できる。
先ほどの水洗いしたハナイグチを加熱する。
沸騰したお湯にひとくぐりさせるだけで十分である。
すぐに水にさらしてよく水切りする。
熱湯消毒した瓶に塩をいれてその上からきのこを適度にいれ、
またその上から塩をいれていく。
とにかく塩で空気を遮断するように漬けていくと、翌日あたりから
きのこに残った水分が滲み出てくる。
一番上の空気に触れる部分は塩で蓋をするようにさらに塩を
かけておく。
こうしておけばかなりの期間保存できるが、某の家ではみそ汁や
うどんの具としてとても重宝するので、長く保存する前に
全て消費してしまう。





2011/08/30

オオキノボリイグチ

朽ち木の上からにょきにょきとかなり大きなイグチの仲間が
出ています。
オオキノボリイグチはとにかく大きくて迫力がある。
赤茶色した傘にはそれより少し淡い色の鱗片があり、柄の部分は
硬くて網目状で濃い茶色のものが多い。

日本ではコメツガ林に発生するそうだが、北米でもやはりツガの木が
生えているところやその朽ち木や倒木から発生するものを
よく見かける。

イグチは某の好きなきのこではあるが、一度も食したことはない。
柄のとんでもなく硬いイメージと大柄なスポンジ状の傘裏をみると
どうも食欲がわかない。
食べれるきのこではあるが、このきのこが発生する時は他にもっと
魅力的なきのこがたくさん発生しているので、
いつも森の中でこのきのこはただ見つめるだけでやり過ごしてしまう。

一度機会があれば少しで良いから味を確かめてみたいものです。




2011/08/27

キンチャヤマイグチ

某の住む地方の里山では8月の半ばあたりからよくみかけるきのこです。
キンチャヤマイグチは食菌として優秀なイグチの仲間です。
傘の裏がスポンジ状になっているのが、イグチの最大の特徴です。

地元の人間も食するこのキンチャヤマイグチではあるが、
彼らが好むのは主に傘の部分である。
某は傘の部分はあまり好きではない。
某は柄の部分が好きでこのきのこを採取する。
柄の部分はかなりしっかりしており、バター炒め等にしても
コリコリした食感が何とも言えぬ美味であるが、北米人は
そういった食感より柔らかなふわふわした食感の傘部分を好むようだ。

森の中で見つけるキンチャヤマイグチはいつも綺麗な
明るい赤茶色した傘が目立つ。
しかし採取して家に持ち帰ると特に傘部分は時間とともに
黒変していく。
傷がつくとその部分が青く変色もするし、とにかく採取したら
なるべく早く食したほうが良いのかもしれない。

某の住む地方の里山では、主に針葉樹と落葉樹の混成林で
このきのこをよく見かける。
キンチャヤマイグチはカバノキ科の落葉樹と何か密接な関係が
あるようだ。
某は樹木に関してあまり知識がないので間違っているかもしれないが
これは多分Birchという木だと思う。
Birchはやはりカバノキ科の樹木なので、この森のなかで
キンチャヤマイグチが見つかることにも納得がいく。

キンチャヤマイグチに限らずイグチの仲間は食しても美味しいものが
多い上に、毒のあるものがほとんどない。(あることはある)
それゆえ初心者にも安心して採取できるきのこの一つだと思う。






2011/07/19

北米のカモミール、Pineapple Weed

7月も半ばを過ぎ、未だにヤマドリタケは一本も見つけられてない。
暑すぎるのと乾燥しているのが原因である。
今日は無理だとほぼ諦めながら野山を歩くと疲労が倍増する。
車を停めた脇道にたくさんのカモミールが咲いていた。
日本でカモミールというとジャーマンカモミールのことを言うのだが
北米には栽培種をのぞいて野生種ではPineapple Weedという種が
かなり近く、そしてカモミールティーとしても飲まれているようである。
せっかくなので百個くらい摘み取ってきた。
北米のPineapple Weedはその名の通りパイナップルのような甘い香りが
して、なんだか美味しそうな気がする。
摘み取った花になる部分を軽く水洗いし、ポットにいれて
そのままお湯を注ぐ。
そしてそのまま蒸らして3分くらい待つ。
お湯の量が多かったようで少し薄いティーになってしまった。
しかしそれでもカモミール独特の香りが立ちこめ、
なんだか疲れを癒してくれているような気分だ。

なかなか美味しいティーではあるが、とにかく地上すれすれに
低く生えているので、腰を折って長時間摘み取るのはかなり疲れる。
疲れた体を癒す効果があるのはその採取の大変さから
きているのでは一瞬思ったくらいである。