2013/10/28

The Prince ハラタケ属のきのこ アガリスク オウガスタス

北米では夏から秋にかけて針葉樹と落葉樹が混生する森で
見かけるきのこです。
英語での通称はThe Princeと云う。
ザ・プリンスとはえらく高貴な名前で、もともとは高貴な貴族の
食事に献上されていたとかないとか・・・そんな経緯でこの名前が
付いたようだ。
学名はAgaricus augustusというらしい。
アガリスク、つまりハラタケ属のきのこということで、
日本では本種は確認されていないようで、当然ながら和名はないようだ。
なのでどのように学名を発音していいのかも分からないし、
(勝手に)アガリスク オウガスタスと呼んでいる。
北米では一般的にプリンスと呼ばれているので、プリンスで良いと
思う。

また一般的な栽培マッシュルームのアガリスクと同じように傘裏は
薄い灰色がかったピンクに近い茶色といたヒダが密生している。
幼菌はとにかく可愛い。

通常は密生して比較的松葉の堆積したところに松葉を押し上げて
顔を出してくる。
松葉の少ないところでは幼菌のまま乾燥してヒビが入った模様に
なることもあるが通常は、
こんな感じで松葉を押し上げていく。
最後まで顔を出さないで傘がどんどん成長した個体は直径30cm以上に
なって見た目も気持ち悪く とても食用にしようとも思わない。

北米ではとても人気でおいしい茸としてきのこ採取家の
メインターゲットになっています。
アガリスクなので普通にスーパーに売っているシャンピニオン
マッシュルームやポータベラ茸と同じ理由で北米人には人気である。

食感はとてもしっかりとした歯ごたえで、コリコリして美味しい。
ただこの時期は松茸やイグチや様々なきのこに夢中になってしまい
プリンスを採取することは少ない。
今回もまた写真に収めるだけであった。

2013/10/06

松茸のすき焼き

松茸を採ってくるといつもやるのは松茸焼き。
次いで炊き込み御飯。
その後がすまし汁に茶碗蒸し。
天ぷらやすき焼きはあまりやらない。
いつ頃からか すき焼きをやらなくなった理由に、松茸の香りが
鍋のなかで全ての食材に移っていき、松茸臭くなるほどで
何を食べても松茸になってしまうからです。
今回もたまた冷蔵庫に鍋に使えそうな食材があったので 松茸の
すき焼きをやってしまっただけである。
白菜とタマネギ、ネギ、うどん、しらたき、牛スライス肉のほか
えのきとエリンギが冷蔵庫から出てきた。
松茸のすき焼きなんて贅沢なものだが、それまでに焼き松茸や、
炊き込み御飯、すまし汁を食べているので、それほどまでの感動がなく
我が家ではいつも何とか消費してやろう的な感じになってしまう。

しかし逆を言い返せば、少ししか収穫できなかった年でも松茸の
すき焼きにエリンギを入れてやるとかなり充実したものになる。
エリンギは切り分けてすき焼きに入れ、松茸の出汁が効いた
割り下のなかで”松茸化”し、松茸をなんら変わらない食感と香りを
醸し出してくれる。
エノキは形こそ違うが、松茸っぽい味になるし、
何と言っても〆のうどんを入れることにより強烈な松茸の香りを
含んだ旨いうどんが出来上がる。


2013/10/04

汁物最強のきのこ ハナイグチ

前回の松茸狩りの際は豊作だと聞いていたが、実はそうでもなかった。
周りのきのこ仲間からの情報が入りだすと、皆が例年ほどでも
ないとのことである。
しかしながら某は幸運にも松茸だけでなく様々なきのこに出会うことが
できた。
遠くからでもその存在がはっきりと確認できるイグチの大親分の
オオキノボリイグチと出会った。
とても立派で大柄なイグチでこの個体も30cmくらいありました。
柄の部分はほとんど木質化したような硬いものでした。
イグチの仲間なので食菌なのだが、食べようとも思ったことは
過去にも一度もない。
ただただ立派なきのこなのでいつも写真には収めるようにしている。
雨露に濡れて傘に少しぬめりがあるこれまた大柄なイグチは
ヤマイグチである。
柄の部分にある黒い鱗片が特徴的で、食菌としてはまあまあの存在です。
しかしヤマイグチが出る少し前に
傘の色が少し黄金色したキンチャヤマイグチをいつも採って、
柄の部分を美味しく頂いているので、その後のヤマイグチが出てきても
あまり感動もなく採取することはあまりない。

この時期、確かに色んなイグチの仲間が発生する。
写真はないがアミハナイグチやアミタケやら、とにかくたくさんある。
しかし毎度毎度必ず手に取るイグチがある。
ハナイグチである。
長野地方でジゴボウと呼ばれたり北海道のほうではラクヨウと呼ばれたり
するもので、ハナイグチはとにかく味が良く全国各地できのこ狩りの
対象とされているものである。
汁物にはとにかく最高のきのこで、いくら松茸がたくさん採れても
ハナイグチだけは少量でも持ち帰るようにしている。

写真写りも良いし、最高なきのこなのだが、採取する際に根元部分の
土やゴミを丁寧に取り除かないでいると傘の部分のぬめりと混じって
きのこ自体が汚く変色したりします。

イグチの仲間には採取してすぐに変色しだすものが多く、山でみた
あの綺麗なハナイグチも採取してからは坂を転げ落ちるかのように
黒く変色していきます。
遠出してハナイグチを持ち帰る際も当然ながら冷蔵庫で保管する時も
よく洗ってからボウルの水に浸けた状態で保存している。
長期保存するなら火を通した後に塩漬け等が一般的だが、
家族で消費できる最小限の量しか採らないので、水に浸けて冷蔵庫で
保管するのはせいぜい4~5日としている。
その間にみそ汁、うどん、鍋、大根おろし和えのいずれかで
消費するようにしている。

松茸やハナイグチを抱えながら森を歩いている時に、
倒木にヌメリスギタケモドキが群生していた。
イグチの仲間ではなくモエギタケ科のきのこなのだが、ハナイグチを
採取している際に
「明日は鍋かな?いやみそ汁かな?」
などと想像している時に、独特のぬめりと歯触りが特徴的な
ヌメリスギタケモドキを発見したので、迷ってしまった。

きのこは旬なものなので、採れたてを早めに食べるのが一番である。
既にハナイグチをたくさん採った後だったので、
さらにヌメリスギタケモドキまでたくさん採取してしまうと、
いずれかを冷蔵庫で腐らせてしまうことにもなりかねない。
今回は写真に収めるだけにして、その場を後にした。

いつもそうなのだが、傘にぬめりのあるきのこ類は持ち運びや保存に
気を使う。
今年はたくさん採れるからといって、なんでもかんでも採取していたら、
ぐちゃぐちゃになって、消費が追いつかなくなる。
今回は他にもショウゲンジやアンズタケも採取しているし、
ヌメリスギタケモドキは次回にしようと決心した。

2013/09/30

松茸狩りに出かけた

きのこ仲間の友人から今年は松茸の当たり年との情報を得た。
経験上、当たり年は3、4年に一度やってくるし、大当たりは10年に一度
くらいの割合でやってくる。
某は職業ピッカー(きのこを採取して卸しに売る人)ではないし、
どんな形の松茸でも喜んで採取する。
当たり年の場合はご近所や知り合いにもお裾分けをするのだが、
それ以外の年では大体は家族のみで山の恵みを頂いている。

毎年そうなのだが山に入って捜索開始し、シーズン最初の松茸に
出会うまでが大変である。
目が慣れてなく、ついつい目前ばかりを探してしまい、視野が狭くなる。
きのこ狩りに慣れてくると地形や木の大きさや下草の具合等から、
辺り全体を見渡しておおよその検討を行い、「あの辺りだ!」と
思うところまで山を歩くと、
このように効率よく一カ所で3本くらい採れるケースも多い。
しかも(カナダ的には)良いサイズだった。
もちろんまだまだシーズンは始まったばかりで、小さな個体も多かった。
あまりにも極小な松茸はそのままにしておいたが、
シーズン初期のものは虫食いが多くて困る。
大きな傘が完全に開ききった大松茸が倒木の下から身をよじらせて
出ていた。
写真を撮ったこちら側からだと、手のひらよりも大きな傘がとても
目立ち簡単に採取出来るような気がするが、倒木側からだと
その存在に全く気づかないものです。
この松茸を見つけた時も 周りの地形等からあの辺りにあるだろうと
推測して、倒木の反対側も確かめてみて見つけたものである。

と、えらそうな言っているが、プロのピッカーはこんな傘が開いた
ものは絶対取らない。
しかも今年は当たり年のために卸値が安いそうで傘が被った
一等品以外は値が付かないそうだ。

当然ながら某が優しく掘り起こして頂きました。
遠出してたったの4時間ほど山のなかを探索したのですが、
家族のみでなくご近所にも振る舞えるくらいの量の松茸が採れました。
数えてないが50本以上は採ったと思います。

今回は松茸以外にも色んなきのこを採取しているが、
それについては後日報告することにします。



2013/06/05

春のきのこ狩りとヒラタケ

久しぶりに近所の雑木林がある公園に出向いてみた。
5月半ばまでは乾燥した日が多く、今年の春きのこは望みが薄いと
感じていてほとんど諦めモードでした。
しかしそれ以降は連日の雨模様で 、例年の倍くらいの降雨量を記録し、
きのこ発生に期待が持てそうな勢いでもあった。
しかし某の住む地方では春きのこには少し遅かった雨とも感じている。

こんなときは良い時しか発生しない近所の公園が一番である。
ここに 発生してると他でも十分に期待が出来るというものである。
あった!
そこらじゅう探しまわってようやく見つけたアミガサタケである。
しかし後が続かなかった。
やはり終わっているのか?それとも今からなのか?
過去の経験ではもう終わりに近いような気もするけど、
連日の雨で最後にどっと発生して来ないかなと期待している某である。
そろそろ膝が痛くなるくらい歩き回った頃に見つけたヒラタケである。
堂々とした立派なヒラタケである。
通常は秋からがヒラタケで春のはウスヒラタケと言うのが定説であるが、
北米の某の住む地方にはpleurotusはostreatusしかなく、おそらく
通称のOyster Mushroomのことだと思う。
あまりデカくなりすぎると傘の表面がさらに茶褐色になり、
硬くなり食感が悪くなる。
薄い茶褐色までで大きさも手のひらまでなら十分に美味しく頂ける。

アミガサタケをたくさん持ち帰っても(毎年のことなので)
「またパスタかよ〜」
みたいなアミガサ迷惑な家人もヒラタケなら万人向けなおいしい茸に
喜んでくれる。