2015/06/26

ハナウドの天ぷら

6月半ばを過ぎるとあまり里山には出かけない。
日中の気温も上昇しヤブ蚊が付きまとうし、下草も多いに茂り
歩きにくくなるのだ。
それでもたまには山菜採りに出かける時がある。


わらびやこごみの最盛期と前後して某が時折採取するのがハナウドである。
白い花がとても綺麗なセリ科の多年草で、背丈は1mから2m以上にもなる。
日本ではハナウドはあまり口にしないようだが、北米のHeracleum maximumと
いうオオハナウドに近い種で英語名をCommon Cow-Parsnipと言われるものを
現地の人は食すようである。

もともとアメリカ先住民が食していて そのほとんどを食すことが出来るの
だが、太い中空の茎部分は少し苦みがあるので某は穂先や新芽のみを天ぷらで
食す。
少し湿気のある場所にこのように大量発生しているのでほんの僅かの時間で
山ほど採ることができる。
某は先端付近で分岐し、やがて花芽が出る部分をよく食べる。
しかしながらこの部分は写真のようにいつも黒い虫がたくさん付いていて
気持ち悪い。
時期が早い時は新芽も採取する。
この部分は味も淡白でお浸し等には最適である。
採ってきたハナウドは水に浸けて虫を取り除く。
採取後すぐに萎びれてくるが水に浸けるとまたシャキッとするので、その後
ペーパーナプキンで包んで冷蔵庫に保管すれば数日は新鮮さを保つことが
出来る。
葉の下の少し膨らんだ部分が花芽で大きなものだと苦いが、この程度だと僅かな
苦みを感じるだけで、それがかえって美味しく感じる。
さらに下の茎の部分まで行くとさらに苦みが強くなるが、表面の皮を取り除くと
今度は甘味を感じるようになり、何かと料理の幅が広がり面白い食材だと言える。

新芽と若葉部分の天ぷらである。
天ぷらの衣は薄めに仕上げて塩で頂くのが一番美味しい。
あっさりしすぎるなら少し茎部分を残して揚げるとほろ苦さを楽しめる。
いやいやもっと苦さを感じたいと思うのなら少し大きな花芽部分や大きく
太くなった茎部分を食すのも良いかもしれない。

先住民族は食料としてだけではなく大きく太くなった茎部分を加工して笛を
作って子供のオモチャにしていたとか聞いたことがあり試してみたが、
どうも上手く作れなかった。
いつか上手に作れたら紹介しようと思う。
 

2015/06/02

刻みわらびのお好み焼き

今年はとにかくたくさんの山菜を採ってきて、フレッシュな状態では
とても食べきれない量が冷蔵庫を占領してしまった。
当然ながら乾燥なり冷凍なりしてその大半を保存したわけであるが、
やはり新鮮な状態で山の幸を頂くのが一番である。
しかし毎日のように食卓に山菜料理を提供すると、さすがに自分以外の
家族はみなそれを敬遠するようになる。
とにかくいろんな方法で料理法を変えても日増しに食べ残されてしまう。
これは具材の半分をわらびで賄ったお好み焼きです。
今回初めて作ったのだが意外と皆に評判が良く、あっという間にすべてを
平らげてしまった。
「わらびのお好み焼き」なんて検索してくる人はいるのかどうだか
分からないが、自分もレシピを知りたくて検索したことがある。
そうするとそんな料理は皆無で埼玉県蕨市のお好み焼き屋ばかりが
ヒットしてくる。
またはわらびという名のお好み焼き屋ばかりで、もうこれは自分で
作るしかない。
まずはわらびを刻む。今回は使うキャベツを同量のわらびを刻んで
その他には海老と紅生姜を使った。
ネギが冷蔵庫に無かったこともあり 刻みわらびが何となくかたちも
似ている?という理由でそのまま代用した。
市販のお好み焼き粉が無かったので小麦粉、卵を出し汁で溶いて
つなぎを作った。
フライパンで焼いているところです。
ひっくり返すのに少し緊張感が走るが、なかなかちゃんと仕上がりつつ
あるようでひと安心だ。
よく見るとわらびの刻んだものが確認できるが、最後にお好み焼きソースと
青のり、かつお節をふりかけると普通のお好み焼きと変わらなくなる。

食感は言われればわらび入りのお好み焼きだと分かるが、
言わない限りは食感がソフトでふわふわした少し粘りのある(そこがいい)
おいしいお好み焼きのようだ。

これならわらび嫌いになった家族皆もまんまとわらび消費に一役買って
くれたので某としても大変嬉しい。

しかしながら全てを平らげるまでは家族にはわらびを入れたことは
黙っていたことは言うまでもない。