2015/11/03

干しわらびの戻し方とナムル

毎年わらびを採りにいっては余ったものはいつも天日で干して
干しわらびを作っている。
わらびの保存は冷凍、塩漬け、そして乾燥と方法は様々である。

冷凍は解凍すれば、塩漬けは塩抜きさえすればすぐに使える万能保存法である。
乾燥ものも水で戻せばそれだけで良いのが、この干しわらびの戻し方に
四苦八苦する人が多いようだ。
その多くは
「水で戻してもなかなか柔らかくならない」
とか
「ふっくら戻らない」
とかそういった類いである。
某も確かにいつも苦労している。

一番の原因は戻し方というより、天日干しした過程とわらびの選別にあると
某は推測している。
山で採ってきたわらびはまずはあく抜きという作業がある。
そしてしばらくは冷蔵庫に保管してフレッシュなものをおひたしや
胡麻和えや様々な料理法で頂くが、その際も一部のわらびの根元付近は
繊維が硬く食べにくい部分が残る場合がある。
わらびを摘む時、根元付近を手でポキンと簡単に折れる部分から上を
採るものなのだが、根元付近は太くて食べ応えがありそうなので、
可能な限り下のほうへ下のほうへと手が伸びる。
その結果、口当たりが悪い太い部分も一緒に収穫してしまうのだ。

さらに山菜採りは重労働でその後のあく抜き作業の際も面倒なので
いちいち可食部分だけの選別等に時間を割いてられない。

天日干しの作業も本来は乾燥していく過程で手で揉み解しながら
干していったほうが後の戻しの作業でもふっくらと仕上がることが多い。
このように真っ直ぐの状態で乾燥したわらびは、干しの過程で一切手を
加えず、気がつけば干し上がっていたようなもので、これを戻すのは
少し手間がかかる。

一般的には、まずは干しわらびを水に一晩漬ける。
そして次の日に水から煮立てる。
沸騰する直前くらいで火を止めて、徐々に冷ましていく時に揉み解す。
それでもまだ硬いようならもう一度水の状態から加熱する。
手強いやつの多くは茎部分がこのようにねじれて乾燥したもので、
なかなか戻らない上にふっくらとしない。
とにかく手で揉み解しながら時間をかけて煮立てる。
しかしこの部分に合わせて戻し作業を行うと穂先部分の柔らかい部分は
溶けてしまうので選別しながら戻していくほうが良い。
結果的には春に怠った選別作業をここでやらなくてはならないということだ。
自分で採ってきたわらびならどのような過程で採取してどのような過程で
天日乾燥させたか想像はつくが、人から貰ったものとかでは、
果たしてこの硬い部分は可食部分なのか?とか分からないこともある。
ある程度戻ったわらびだが、そんなに太くなっていない。
しかしよくよく考えると極太ものは春先にフレッシュな状態で平らげた
記憶がある。
みるからに細くてついつい後回しになったものを乾燥させたような記憶が
あとから蘇ってきたような気もする。
少し細めでも食感は抜群に良いので、某オリジナルの干しわらびのナムルを
作ることにした。
わらび コサリのナムルだが色合いも大きさも貧弱なので人参と薄揚げを
一緒に炒める。
まずは適当に食べやすいサイズに切ったわらびを醤油、おろしニンニク、
砂糖で味付けする。
先に人参だけをオリーブオイルで炒めて少し柔らかくなった時に
先ほどのわらびと薄揚げを入れて炒める。
味を見ながら醤油の量を足したりもする。
あまり濃い味付けにしたくないので、物足りないようなら粉末だしを入れ、
最後にごま油をかけ、ついでにいりごまも投入する。
フレッシュなわらびのおひたし等も好きだが、干しわらびのナムルも
絶妙な食感が病み付きになる。
酒の肴にもいいし、ご飯のお供にもいい。
インスタントのラーメンにも玉子やチャーシュー等と一緒に
わらびのナムルを添えれば、少し本格的な気分を味わえる。

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